筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

クレアチンとクレアルカリンの間に効果の差はあるのだろうか?

 

要約

比較研究を行った論文ではクレアルカリンがクレアチンモノハイドレードよりも効果的であるというエビデンスはない。

クレアチンについて質問があったので答えてみようと思います。その内容とは

「最近流行っているクレアルカリンはどうですか?」

クレアルカリンは特許取得済のpH緩衝済フォーミュラを伴ったクレアチンであるとメーカーの宣伝にはあります。ネットで調べてみると

・吸収効率がよい

・ローディングが要らない

・少量で十分な効果がある

・胃腸の不快感やガスが起きない

などの利点があるとされています。果たしてそうなのでしょうか?値段を見てみると同じメーカーのものでもかなり値段が違うことがわかります。私が使っているNOW社のクレアチンで比較してみましょう(私はクレアチンモノハイドレード1000gを利用しています。

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左からクレアチンモノハイドレード500g、クレアチンモノハイドレード1000g、クレアルカリン180gとなっています(画像をクリックするとiHerbのサイトに飛びます)。為替などの変動があるので値段が決まっているわけではありませんが、2018年2月22日時点での値段を比較すると

注()内はメーカー推奨1回量当たりの値段

クレアチンモノハイドレード500g  1640円(16.4円)

クレアチンモノハイドレード1000g 2140円(10・7円)

クレアルカリン180g        3241円(27円)

と、クレアルカリンはクレアチンの含有量のわりにかなり高価であり、1回あたりの値段も高くつくことがわかります。果たしてこの値段に見合った利点があるのでしょうか?

その答えが2012年にJournal of the International Society of Sports Nutritionで発表された論文で明らかとなっています。

この論文では筋トレをしているが、クレアチンは使ったことは無い男性を対象として

クレアチンモノハイドレードを1回5gを1日4回の摂取を7日間続けたあとに、

 1日1回1回5gの21日間摂取した群

・クレアルカリンをメーカーの推奨通り、1日1.5g28日間摂取した群

・クレアルカリンを1回5gを1日4回の摂取を7日間続けたあとに、
 1日1回1回5gの21日間摂取した群

に分けて、二重盲検法にて比較を行いました。その結果、

・3群の間に筋肉内クレアチン濃度に差は見られなかった

・3群の間で筋力や体組成、有酸素運動能力の変化に差は見られなかった

・3群ともに副作用はみられなかった。

という結論に至りました。

科学的な研究をした論文のデータでは、残念ながらクレアルカリンは値段は高いものの、クレアチンモノハイドレードより優れているわけではないということがわかってしまいました。あえて摂るならば粉ではなく錠剤で飲みたいという人にとってはカサが少なくよいかもしれないというところでしょうか?

クレアチン自体は筋肉にとってとても有用なサプリメントです。というわけで私はいつも通り1kgのクレアチンモノハイドレードを買おうと思います。

参考文献

2012年 Journal of the International Society of Sports Nutrition

「A buffered form of creatine does not promote greater changes in muscle creatine content, body composition, or training adaptations than creatine monohydrate.」