筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

糖尿病の人の血管を若返らせるための運動とは?

要約

・運動は糖尿病の人の血管内皮機能を改善させる。

・血管内皮機能の改善が目的ならば、軽度~中強度の有酸素運動が最適

 運動は糖尿病の人にも有効であることは明らかであり、血糖値やHbA1cの改善、筋力や筋肉量の向上、脂肪量の低下、血圧の改善などに役立つという論文もあるようです(そのうち記事にしようと思います)

そして、最新の論文から、血管の若返りにも役立つことが示されました。

2018年に糖尿病の専門誌の報告によると、運動により血管内皮機能とよばれる動脈硬化の指標の改善に役立つことが示されました。

ちなみに、解析から用いたデータによると、

有酸素運動が最も効果的であった

・最適な有酸素運動の強度は軽~中強度であった

ことがわかっています。よって、運動経験のない人はまず散歩程度から行えば、血管の健康には最適だということになります。

運動の内容を見てみると、

・週3~5回の運動(ほとんど週3回)

・1回30~60分の運動(ほとんどが60分)

・8週間(約2か月)以上の継続

という感じでしたので、だいたい2日に1回運動をすればよいということになります。これなら、例えば土日と平日のどこかで1回という感じで運動をすればよいことになるので、サラリーマンでも結構可能ということになります。

血管内皮機能が改善すれば糖尿病による血管のダメージが低下して疾病の予防に役立つことが強く期待されます。また、血管内皮機能が改善すれば、一酸化窒素の産生が増え、血圧の低下にも役立つでしょう。まずは軽い運動もかねて、スマホゲームを封印し、街や自然を見にいくのがよいのではないでしょうか?

そして、血管内皮機能が改善したところで筋トレを行い、関節痛の改善や筋肉量・筋力の改善をするというのが合理的と言えるでしょう(有酸素運動が良いという論文でも筋トレの宣伝は忘れない)。

参考文献

2018 Diabetology & Metabolic Syndrome「The effects of exercise on vascular endothelial function in type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis」