筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

太った子供のダイエットには筋トレを追加しよう!

要約

太った子供がのダイエット目的の運動として筋トレを並行して行うと、有酸素運動のみの場合と比較して以下の効果がある。

・体重や脂肪が大幅に減少する

・筋肉量が増える

・LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が下がる

・アディポネクチンという健康に役立つホルモンが高くなる

「はじめに」でも示したとおり、私は肥満でした。pharmuscle.hatenablog.com

 実は高校時代にもダイエットを試みたことがあり、有酸素運動とカロリー制限で85kgから78kgまで減らしたことがありました。しかし、その後受験の失敗と浪人でものすごく体重は増えていき、最大90kgまでになったのでした。

 その後、パワーリフティングで階級を落としたり、ボディビルの大会に出るために大きな減量を重ね、今に至るのですが現在では特にリバウンドもなく過ごせています。いろいろ後悔をすることもありますが、後になると意外とよかったと思えることもあります。しかし、

「なんでもっと若いころから筋トレをしなかったねん」

ということについては悔やんでも悔やみきれないほど、筋トレは子供にとってもすばらしいものであることが最新の運動科学解析でもわかっています。

2018年にBritish Journal of Sports Medicineで紹介された論文によると、子供の肥満の解消において運動は役立つのですが、有酸素運動のみ行った場合と比較して、筋トレを追加することで、

・体重の減少(2.28kg)と体脂肪率の低下(3.54%)が見られた。

・除脂肪体重の増加(2.2kg)が見られた

・LDLコレステロールの低下(10.20 mg/dL)とアディポネクチン(ざっくりいうと脂肪細胞から放出される体によいホルモン)の増加がみられた。

といいことずくめになっています。小児は体重が比較的軽いと考えられるので、体重が2.28kg減り、除脂肪体重(かなりが筋肉と考えてよいでしょう)が2.2kgも増えることは健康にも運動能力にも見た目にも相当なインパクトがあると考えてよいでしょう。

 子供の筋トレを行う際はやはり筋トレに詳しい人のもと行うべきです。野球やサッカーのコーチには筋トレに関しては全くの素人という者も多いので、筋トレが好きで優しいおっちゃんに聞くのがよいでしょう。

 近くにそんな便利なおっちゃんが近くにいない人のために、こんな感じでやればいいのでは?というメニューを作成してみました。重い重量を用いないので子供でも安心して行うことができるでしょう。よろしければお試しを!(3日に1度行う。set間は2、3分程度休む。)

初級

スクワット(関節が問題ないならフルスクワットで)ギリギリの回数×3set

膝つき腕立て伏せ ギリギリの回数×3set

エクササイズチューブを使ったロウ ギリギリの回数×3set

 (こんな感じのAmazonで一番売れている安いやつで十分だ!)

クランチ ギリギリの回数×3set

中級

ウォーキングランジ 50歩×3set

腕立て伏せ ギリギリの回数×3set

斜め懸垂 ギリギリの回数×3set

レッグレイズ ギリギリの回数×3set

これで物足りなくなったらジムに行ったり!最近は高校生でも受け入れてくれるジムも出てきているぞ!

www.anytimefitness.co.jp

個人経営のジムも受け入れてくれるケースが多い。筋トレを一生懸命している人は親切であることが多い。ゲームやスマホを捨てて、筋トレをすれば新しい人々と出会うことができ、きっと前向きになれるはずだ(経験者)!

参考文献

2018年 British Journal of Sports Medicine

「Concurrent aerobic plus resistance exercise versus aerobic exercise alone to improve health outcomes in paediatric obesity: a systematic review and meta-analysis」