筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

バックスクワットVSフロントスクワット

要約

・フロントスクワットは大腿四頭筋の強化に有用である。

本職は学術関係の仕事をしていますが、パーソナルトレーナーとしてちょくちょく活動しています。会社の人の健康管理が主なのですが、ジムでパーソナルトレーニングを行うこともあります。

活動場所👇

下北沢店|24時間営業のフィットネス ジム|エニタイムフィットネス・世田谷区

西荻窪店|24時間営業のフィットネス ジム|エニタイムフィットネス・杉並区

上荻店|24時間営業のフィットネス ジム|エニタイムフィットネス・杉並区

最近のことですが、

youtubeで見た方法でスクワットをやっているのですが、負荷が分散してどこに効いているのかわからないのです。」

と、格闘技を行っているクライアントから相談がありました。

 実際にスクワットをやってもらったところ、フォーム自体はきれいなものだったのですが全身に負荷を分散させるパワーリフティング的なフォームであるように感じました。

 バックスクワットのままフォームを変えてもよかったのですが、それではフツー過ぎて面白くない。クライアントは運動能力や柔軟性は十分であるようでしたので、以下のようにスクワットを行ってもらいました。

・フロントスクワットを数セット行ってもらう

・その後、フロントスクワットの意識でバックスクワットを行ってもらう

この結果、脚や体幹部への効果を実感し、納得していただけたようでした。

 フロントスクワットはバーを体の前、具体的には鎖骨当たりに置いてスクワットを行う方法で、とくにウェイトリフティングの選手がよく行うトレーニングです。私はウェイトリフティングの選手ともなんどかトレーニングをしたことがあるのですが、口をそろえて

「脚の強化と下背部のインナーマッスルの強化にはフロントスクワットが一番だね」

と言います。私もその実感があるのですが、果たして科学的にはどうなのでしょうか?興味深い論文を見つけることができたので紹介しましょう。

 2015年に発表された論文(1)ではフロントスクワットとバックスクワットを比較した結果、フロントスクワットで以下の特徴がありました

・内側広筋(大腿四頭筋の内側で、膝に近い方の筋肉)への刺激が強い。

・上体の前傾角度が小さい。

 内側広筋への刺激が強いということは脚の強化に役立つという経験と一致しています。また、上体の前傾角度が小さいことは腰への負担がへり、安全性が高いということにもなります。そのおかげもあってか、筆者は前傾角度がキツいパワーリフティング式のスクワットで2回腰を痛めたことがありますが、フロントスクワットでは起こしたことがありません。

 下背部への刺激に関して調査した論文を探したのですが、残念ながら調べた論文を見つけることはできませんでした。しかしながら、フロントスクワット、バックスクワット共に大量にやりこんできたウェイトリフターの経験は正しいと思っております。

 というわけで、スクワットをやっても効果を感じない人、腰に違和感がある人はフロントスクワットを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

参考文献

(1)2015  J Sports Sci.「Kinematic and EMG activities during front and back squat variations in maximum loads.」