筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

シナモンがダイエットと中性脂肪の改善に役立つかも(注意も必要だが)

要約

・シナモンの摂取で体重と中性脂肪が減る。

・効果的な量は1日2g以上だが、ベトナム産の「カシアシナモン」は少量で肝臓に影響を及ぼす恐れもあるので、風味づけくらいの利用にとどめた方がよい。

 引き続き中性脂肪を減らす成分を紹介しましょう。今回紹介するのはシナモンです。シナモンは甘い香りで有名な香辛料です。京都に住んでいた私の印象では八つ橋を思い出すのですが、お菓子の香りづけに多く利用されます。

 シナモンですが、実は機能性食材としても有用であることがわかっています。薬理的に言うと体外から糖分の吸収を抑えたり、体内での糖や脂質の利用を促進したり、炎症を抑えたりとさまざまなメカニズムがあり(1)、特に糖尿病の人の血糖値の改善作用を調べた論文が多数あります(2)。

  このようなシナモンですが、中性脂肪改善作用やダイエット効果もあるようです。systematic review and meta-analysis.での解析では体重(3)や中性脂肪(4)を減らすことが示されています。今回のネタとして取り上げている中性脂肪に関しては平均して23.91 mg/dLの低下をしており、なかなか良い数値であるように感じます。

 シナモンの摂取量については、中性脂肪の論文では1日1g~6g程度摂取していることや、ダイエット効果を調べた論文では1日2g以上の摂取で特に効果的であったというデータもあることから、効果を求めたい人は1日2gを目安に摂るのがよいと思われます。

 ただし、シナモンに関しては稀ではありますが、含まれるクマリンという成分が肝機能に影響を及ぼすことが報告されており、特にベトナム産のカシアシナモンだと1日0.92g以上摂ると懸念される量になるということから注意が必要です(5)。よって産地や量に関しては、注意して使う必要があります。

(という情報を知りつつ、ダイエット時にガンガンシナモンを摂っていたのですが。)

そのあたりを踏まえて利用すれば、シナモンはなかなかよい植物と言えそうです。個人的にはブラックコーヒーにシナモンを振るのがダイエット時に有効である上に、風味もよくてオススメです(他に良い利用法があれば教えて頂きたいです)。

参考文献

(1)2016 Iranian Journal of Basic Medical Sciences 「Cinnamon effects on metabolic syndrome: a review based on its mechanisms 」

(2)2019 Complement Ther Med.「The impact of cinnamon on anthropometric indices and glycemic status in patients with type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of clinical trials.」

(3)2019 Clin Nutr「Cinnamon supplementation positively affects obesity: A systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trials.」

(4)2017 J Clin Lipidol.「The effects of cinnamon supplementation on blood lipid concentrations: A systematic review and meta-analysis.」

(5)東京都健康安全研究センター広域監視部 平成19年度先行調査「シナモン含有食品中のクマリンの実態調査 」