筋トレこそが最強の薬である。

京都大学バーベル部卒の薬剤師が筋トレこそが最強の健康法であることを示します。

タンパク質の摂取量とエネルギー消費量の関係 性別やホルモンに影響されるらしい

要約
・タンパク質の摂取量が多いほど、食後の消費カロリーが多かった。
経口避妊薬を使用中の人はタンパク質の摂取量とエネルギー消費量の間に関係が見られなかった。
 ダイエットを行う時に十分なタンパク質を摂取する必要があるということは最近では広く知られるようになりました。タンパク質自体はカロリーとなりますが、タンパク質が不足した食事をしてしまうと空腹感に悩まされることとなり、しかも筋肉も減りやすくなるということも知られています。つまり、カロリーを減らそうとしてタンパク質まで減らしてしまうと辛いうえに筋肉がしぼんで不健康にやせてしまうということなのです。
さらに、タンパク質を多く摂ることは食事誘発熱産生とよばれるエネルギー消費量を促進することが知られています。このエネルギー消費量は全体の5~15%を占めるとされており(1)、全体に占める割合としては少ないものの、長期的な視点で考えると結構大きな差がでてきます。
それでは、食事によるエネルギー消費量を増やすためにはどれだけのタンパク質をとればよいのでしょうか?この疑問に答えてくれるのが栄養学専門誌Nutrientsに掲載された論文です(2)。この研究では
・総カロリーに占めるタンパク質の割合を11%
・総カロリーに占めるタンパク質の割合を23%
・総カロリーに占めるタンパク質の割合を31%
と3群にわけてエネルギー消費量の変化の違いを調べました(摂取カロリーや炭水化物・脂質比はすべて同じ)。その結果は興味深いことに性別や経口避妊薬の使用の有無に影響され、
男性
・タンパク質の摂取量とほぼ比例してエネルギー消費量が増えた。
・タンパク質最小と最大でエネルギー消費量が約30kcalの差があった。

女性(経口避妊薬を使っていない)
・タンパク質摂取量が多いとエネルギー消費量は増えたが、
タンパク質の割合が23%で頭打ちとなった
・エネルギー消費量の差は約10kcalの差だった。

女性(経口避妊薬使用中)
・タンパク質摂取量とエネルギー消費量の間に差は見られなかった
経口避妊薬を使っていない女性と比較して全体的に食後の満腹感が低かった
という結果となりました。
大方の予想通りタンパク質の摂取量が多いほどエネルギー消費量が多いという結果になりましたが、男性に関してはかなり多くの量をとるとより効果的である一方で、女性では頭打ちが速いという結果となりました。
また、経口避妊薬を使用中の女性はタンパク質の摂取量とエネルギー消費量に差が見られないという結果となりました。経口避妊薬を使っていない女性と使っている女性の間で体格などの差はなかったということから、これはホルモンによる影響である可能性が高そうです。さらに、経口避妊薬を使用中の女性は全体として食後の満腹感が低いという結果もありましたので、タンパク質の摂取以外に満腹感を高める工夫が必要とも考えられます。
 もちろん、タンパク質がダイエットに貢献する要因は食事誘発熱だけではないので、女性(特に経口避妊薬を使用中の人)がタンパク質を減らしてもよいということにはなりませんが、やみくもにタンパク質の摂取量を増やせばよいとも言えそうですね。
参考文献
(1)2018 Journal of Endocrinology
「Diet-induced thermogenesis: fake friend or foe?」
(2)2019 Nutrients「Assessment of the Dose–Response Relationship between Meal Protein Content and Postprandial Thermogenesis: Effect of Sex and the Oral Contraceptive Pill」