葉酸の補給は膵臓の負担を下げるかも。
要約
・葉酸を摂ると血中インスリン濃度が下がったため、膵臓の負担を下げられる可能性が。
葉酸は有名なサプリメントで、特に妊婦さんが摂ると子供の疾病のリスクを減らせることで有名です。また、脳卒中のリスクを下げることができるというデータもあります(2)。
このように役立つ作用のある葉酸ですが、今回糖尿病の人が摂るとどうなるか?という論文を見つけることができたので紹介しましょう。
この論文では血糖コントロールの指標に対する葉酸のサプリメントの効果のメタ解析を行っています(3)。
その結果、葉酸の摂取により糖病病患者さんのインスリン濃度の低下が認められました。インスリン濃度が低いということはインスリンの効きが改善していることと関係しており、膵臓からのインスリン分泌が減っているため膵臓への負担が下がっていると考えられます。日本人の糖尿病のタイプとしては膵臓が疲弊してしまうタイプの方が多いということなので、より効果的ではないでしょうか。
また、全体では血糖値に変化はなかったものの、ホモシステインの減り方が多い人はHba1c(血糖コントロールの指標)の改善が見られたという結果となっています。ホモシステインはメチオニンというアミノ酸から作られることや、ビタミンB群が不足していると高くなりやすいことを考えると、西洋型の食事をしている人は葉酸を積極的に摂ったほうがよいと考えられます。
葉酸サプリメントは非常に手ごろに買えるので、ドラッグストアなどで購入してもよいでしょう。また、枝豆にはとても多くの葉酸が含まれていることが知られているので、サプリは使いたくないという人や、ついつい居酒屋に行ってしまう人は枝豆を積極的に摂るとよいでしょう。
参考文献
(1)e-ヘルスネット(厚生労働省の情報提供サイト)葉酸とサプリメント
2019年1月8日閲覧
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html
(2)2017 Am J Med Sci.「Folic Acid Supplementation for Stroke Prevention in Patients With Cardiovascular Disease.」
(3)2019 Am J Clin Nutr「Effect of folate supplementation on insulin sensitivity and type 2 diabetes: a meta-analysis of randomized controlled trials.」