筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

筋肉痛対策にBCAAを摂るなら筋トレ前がよいかも

要約

・筋肉痛対策にBCAAを摂るなら、筋トレ前の方が筋トレ後よりも効果的であるようだ。

筋トレが広まった結果人気がでたサプリメントにBCAAがあります。BCAAはロイシン、イソロイシン、バリンのことを指し、筋肉でのたんぱく質合成に役立つことが示されています。

 ボディビルダーは筋肉の強化を目的に摂取しますが、筋トレによる筋肉痛の軽減に役立つことも多くの試験からわかっており(1)、レクリエーションで筋トレを行っている人にとってもなかなかよいサプリメントです。

 このようなBCAAですが、筋トレ直前に摂取することが一般的になっています。その理由は、筋トレ前に体内のBCAA濃度が高まることで、運動による筋肉へのダメージを減らせることが期待されるからです。理屈的には正しく、私もその説を信じて筋トレ直前にBCAAを摂っていましたが、果たしてこれは科学的にみて正しいことなのでしょうか?

 この疑問に答えてくれる論文(2)を見つけることが出来たので紹介しましょう。この論文では筋トレ直前にBCAAを摂るグループと、筋トレ直後にBCAAを摂るグループで、その後の筋肉痛の推移を比べています。その結果、筋トレ前にBCAAを摂取する方が筋トレ後に摂取するよりも筋肉痛が軽減されたという結果となりました。

 この論文の実験の参加者は14人と少なめで、若い男性のみが参加者であるという難点はあります。しかしながら、筋トレを行う日にBCAAを摂るならば、筋トレ直前を選択することは、次の日の筋肉痛を軽減し、快適に過ごすことに役立ってくれるでしょう(まあこの筋肉痛がクセになるという変なひとも結構いますがね)。

摂取量に関しては、こちらも参考にしていただければ幸いです。

pharmuscle.hatenablog.com

 

参考文献

(1)2019 Int J Vitam Nutr Res.「Effect of branched-Chain Amino Acid Supplementation on Muscle Soreness following Exercise: A Meta-Analysis.」

(2)2018 J Sports Med Phys Fitness「Effect of BCAA supplement timing on exercise-induced muscle soreness and damage: a pilot placebo-controlled double-blind study.」