筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

アーモンドを1日42.5g以上食べて健康になろう!

要約

・食事改善としてアーモンドを食べることで、コレステロールが改善する上に体重も減る。

・1日42.5g以上食べた研究ではさらに血糖値や血圧の改善も見られた。

昔、ナッツは脂肪やカロリーが多いことからあまりよくないものだと思われてきました。しかしながら、最近の影響疫学での研究からナッツをよく食べる人はむしろ健康状態が良いということが示されています(1)。しかし、これだけではナッツを食べればよいということにはなりません。なぜならばナッツを食べている人は健康意識が高く、そのため健康レベルが高いという可能性が否定できないからです。

 もちろん、これまでの研究はナッツを食べること以外に健康に関与する因子を調整しているので信頼できるデータなのですが、有効性を確認するには、ナッツを今まで食べていない人にナッツを食べてもらうという介入試験が必要です。

 今回、ナッツの中でもメジャーなアーモンドを食べてもらう介入試験を行った試験を総括してくれた論文を見つけることが出来たので、紹介しましょう(2)。この論文での解析の結果、アーモンドを食べることは

・総コレステロールの低下 平均 -10.69 mg/dL

・LDLコレステロールの低下 平均-5.83 mg/dL

・apolipoprotein B(簡単に言うと動脈硬化の指標)の低下 平均 -6.67 mg/dL

・体重の低下 平均 -1.39 kg

という変化が見られました。食物繊維や不飽和脂肪酸が多いのでコレステロールが低下するのは納得しますが、高カロリーであるにも関わらず体重が減ってくれているのはうれしい誤算と言えるでしょう。これはナッツの摂取が満腹感の増加や腸内環境の改善に寄与していることが考えられます。HDLの値が減っているは少し気になるところですが、最近の研究ではHDLは高すぎてもよくないという話もあるので、そこまで気にしなくてよいでしょう。

さらに、摂取量別で解析すると、1日42.5g以上摂ることは空腹時血糖や拡張期血圧BMIの低下にも関係したということで、より一層効果があったという結果となっています。

 この手の実験にも弱点があり、研究の対象者が肉などの摂取量の多い欧米人がほとんどであることや(この研究では15の研究のうちアジア圏での研究はわずかふたつ)、ナッツを食べたうえでカロリーも調整しているので好きなだけアーモンドを食べてもよいということではないことには注意が必要です。

しかしながら、ポテトチップスや菓子パンをアーモンドに変えるということはきっと健康と美容に役立ってくれるでしょう(スーパーで買うと結構高いので、よくAmazonで買う小市民)。

参考文献

(1)2017 Food Funct「Nut consumption in relation to all-cause and cause-specific mortality: a meta-analysis 18 prospective studies.」

(2)2019 Adv Nutr「Almond Consumption and Risk Factors for Cardiovascular Disease: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.」