筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

運動で不安を予防・改善できる

要約

・運動をしている人は不安症に陥るリスクが少ない

・不安感がある人が運動を行うことで不安感の緩和に役立つことが示されている

 運動がメンタル関連の健康に役立つことは多くの研究で示されています。今回は不安の予防に役立つというシステマティックレビュー&メタ解析を見つけることが出来たので紹介しましょう(1)。

この解析の結果、自己申告での運動量が多い人は運動量が少ないと申告した人と比較して

・不安症になるリスクが26%低かった。

広場恐怖症になるリスクが58%低かった(詳細はメルクマニュアルを見ると良いでしょう。)

www.msdmanuals.com

・外傷後ストレス障害になるリスクが43%低かった

という結果となっています。このデータの質は高いこともわかっており、運動には不安感を抑える可能性が高いことが科学的にも示されているのです。

「日常的に運動している人は活発なのだから不安に陥るリスクは少ないのであり、これだけでは現在不安感がある人には効果があるかわからないのでは?」

という考えもあるかもしれません。

 しかしながら、すでに運動の介入は不安感の改善に役立つということがわかっており(2)、それは筋トレでもよいこともわかっています(3)。よって、今から運動を始めても決して遅すぎることはないのです。確かに筋トレを習慣的に行うようになってからは、物事の考え方が比較的前向きで建設的になったような気もします。

 将来への不安を煽るようなニュースが多い今ですが、巷で言われるような

金融商品に手を出して老後資金2000万円をためろ!」

など正直あてにならないと思います。それよりは運動を習慣的に行うことで心身ともにタフになることの方が実効性があり、建設的なように思います。

参考文献

(1)2019 Depress Anxiety「Physical activity protects from incident anxiety: A meta-analysis of prospective cohort studies.」

(2)2017 Psychiatry Res「An examination of the anxiolytic effects of exercise for people with anxiety and stress-related disorders: A meta-analysis.」

(3)2017 Sports Med.「The Effects of Resistance Exercise Training on Anxiety: A Meta-Analysis and Meta-Regression Analysis of Randomized Controlled Trials.」