筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

糖尿病の改善には高強度の筋トレがより効果的!

要約

・筋トレは血糖値の改善に役立つ。

・高強度の筋トレの方が、糖尿病の改善により役立った。

 筋トレは血糖値の改善に役立つことは広く知られています。筋肉が糖を消費してくれたり、筋肉や脂肪の質が改善して糖を正常に使うようになるなど、さまざまな点で血糖値によい影響を及ぼすことが分かっています。

 しかしながら、どのような運動をすればよいのでしょうか。2型糖尿病の人に対する筋トレの強度が血糖コントロールの指標に及ぼす影響を調べたSystematic Review and Meta-Analysis(要するに質の高い研究)を見つけたので紹介しましょう。

 この論文の解析(1)の結果、

・高強度の筋トレも低強度の筋トレもどちらもHbA1cを改善した。

HbA1cとは血糖値の指標で、3か月程度の血糖値の状態を表しているとされる。)

・高強度の筋トレの方がHbA1cがより改善した。

・高強度の筋トレでのみ、インスリン濃度の低下がみられた。

ことが示されました。高強度の筋トレはHbA1cが減っているにも関わらずインスリン濃度の低下が見られたということでなので、血糖コントロールの改善に加えて膵臓への負担が減ったということにもなります。一方で軽強度の運動は役には立つものの、高強度の筋トレに比べると効果が小さいことも示されました。

 もちろん、あまりに血糖コントロールが悪いなど高強度の運動が好ましくない場合もあるので、高強度の筋トレを行うかどうかは病院で相談してから決定する必要があります。しかしながら、糖尿病の改善にもしっかりと重量を増やした本格的な筋トレが役立つことが科学的にもわかっているのです。

参考文献

 

(1)2019 Int J Environ Res Public Health. 

「Resistance Exercise Intensity is Correlated with Attenuation of HbA1c and Insulin in Patients with Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis.」