単にカシューナッツを食べるだけでは血液検査の数値は変わらない
要約
カシューナッツを食べるだけでは脂質、血糖値、血圧などには影響しなかった。
最近の研究では
「ナッツを多く食べている人は疾病のリスクが低い」
というデータが多数でています。確かにナッツ類は ミネラルや食物繊維が豊富で、栄養学的に優れた食品であることは間違いありません(1)。しかしながら、単にナッツを摂るだけで簡単に健康になれる!というのは虫が良すぎる話のようです。
2019年に発表された栄養学専門誌での論文(2)では、1日42gのカシューナッツを摂る期間とそうではない期間の間で血液検査の結果に差がでるかどうかを調べています。この研究ではクロスオーバー試験という信頼性の高い試験を行っており、試験期間もそれぞれ4週間と十分な期間の実験をしていると考えられます。
その結果、カシューナッツを食べた期間とそうでない期間の間に血圧、脂質、血糖値やその他健康診断で調べられる値に差は見られませんでした。カシューナッツはマグネシウムや食物繊維がとても多く含まれているだけに、この結果は意外です。
もう少し長期間の実験をすれば結果は変わる可能性もありますが、
「もうすぐ健康診断だ。ナッツを摂ろう!」
では効果はないことは知っておいた方がよいでしょう。
参考文献
(1)2017 Food Funct.「Nut consumption in relation to all-cause and cause-specific mortality: a meta-analysis 18 prospective studies.」
(2)2019 The American Journal of Clinical Nutrition「Consumption of cashew nuts does not influence blood lipids or other markers of cardiovascular disease in humans: a randomized controlled trial」