筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

痛風予防にもDASH食!

要約

・DASH食に近い食事をしている人の痛風のリスクは低い

・西洋型食をしている人の食事をしている人は痛風のリスクが高い

 尿酸値が高いと痛風のリスクが高くなることは周知のことです。しかし、尿酸値を下げる方法はなかなか難しく、プリン体を極力摂らないようにしても数値はせいぜい1mg/dL程度しか下がらないとされています。

 さて、健康的な食事方法にDASH食という方法があります。これは簡単に言うと、果物や野菜や低脂肪の乳製品をたくさん摂ってカリウムマグネシウム、カルシウム、食物繊維を沢山摂取し、コレステロールの多い食品は避けるという食事法で特に血圧を下げる食事法として有名です。

 しかし、この食事にはほかにも健康上効果があることが分かっており、尿酸値やコレステロール値の改善にも役立つというデータもあります。そして、尿酸を下げることが痛風のリスクの低下にもつながっていることが有力医学誌BMJからも明らかとなっています。

 2016年にBMJで紹介された論文では、44444人(人数になんとなく作為を感じる)の痛風を起こしたことの無い男性に対して食事のパターンと痛風の発生との関連を調べています。なお、この論文では

DASH食パターン 果物、ナッツ、豆、低脂肪の乳製品、全粒粉を多く摂り、糖分の入った飲料水、塩分、赤肉や加工肉を少なくする

西洋食パターン 赤肉や加工肉、糖分入り飲料、菓子類、精製炭水化物を沢山食べる

ものとしています。

その結果、痛風のリスクは

DASH食パターンに最も近い場合 32%減

西洋食パターンに最も近い場合 42%増

という結果になりました。 

数値から単純に考えると、西洋食パターンに近い最悪の食事をしている人は理想的な食事をしている人と比べ、倍以上の確率で痛風になるということがわかります。

甘いものは果物から、脂っこいものはナッツやアボカドから摂るようにすれば、ストレスもなく可能であると思いますので、尿酸値が高い人、肥満の人など痛風のリスクが高い人はDASH食を試してみてはいかがでしょうか?

参考文献

2017 BMJ 「The Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet, Western diet, and risk of gout in men: prospective cohort study 」