筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

職場で首の痛み対策するならやはり筋トレ

要約

・職場で運動をすることで首の痛みが改善する。

・最も効果的なのは筋トレである。

・「人間工学」を用いた器具は役に立たないらしい。

トレーナーをやっていて驚くのが

「肩こりや首の痛みがひどくて・・・」

と訴えるクライアントが多いことです。女性に多いのだが、若い男性にも結構多いのが意外なことである。そして、筋トレを行っていると

「そういえば最近肩や首の状態がいいわ!」 

と言ってくれるのは、科学的にも正しいことなのです。

pharmuscle.hatenablog.com

最近、「職場での健康づくりが大切である。」という動きがでており興味深いことなのですが、

「健康のためにみんなで集まって玉入れをしよう!」

というような正直スマートでない方法を提案するケースもあるようです。

(動き上はうまくやれば効果的だが、いかんせん場所をとり過ぎてオフィスでは不可能!)

今回取り上げるのは「neck pain(首の痛み。たぶん肩こりなども混ざっていると思われる)」を職場でどのようにすればよいか?という論文です。この論文では首の痛みに対して職場で対策した方法がどれくらい効果があったかを紹介しているのですが、結論を簡単に言うと

・運動はやはり効果的である(筋トレも一般的な運動も効果がある)

・最も効果があるのは肩や首の筋肉を鍛える運動である(すなわち、筋トレ)

・ストレッチにはあまり効果がないかもしれない

・人間工学に基づくアプローチのエビデンスは高くない

という結果に至りました。

このデータから考えるに、首の痛みや肩こりは運動や筋肉不足によるものではないだろうか?と思えてしまいます。「一般的な運動」でも効果があるので、玉入れは決して無駄ではないのでしょうが(玉入れ自体は楽しいと思いますし)、正直オフィス街で玉入れをスペースを考えるとほぼ不可能でしょう。

「オフィスの人に健康を!」

ということでストレッチを教えているケースは多数ありますが、科学的にみるとあまり効果がないということであり、また「人間工学に基づく設計云々」も筋トレに比べれば信頼性が低いということになります。

 

オフィスでするということなので、重いものやかさばる物(例 玉入れのかご)を用いるわけにはいけません。というわけで、オフィスでするなら例えば以下のようなメニューはどうでしょうか?

・アーノルド・プレス(ペットボトルやオフィスにある持ちやすいもので) 

 10~15回 2set 

・チューブ・フェイスプル 15~25回 2set

・スタンディングロウ 15~25回 2set

(アーノルドプレスで用いた重りでもチューブでもOK)

チューブはこんな感じの安いので十分。

この内容ならば20分程度でできるので、仕事の休憩時間に行うこともできるでしょう。もし

「うちの会社、金もスペースも余裕ありますねん!」

という場合はアジャスタブルケーブルマシンを買ってもらうと最良です。

(家に1台置きたい!)

筋トレの頻度は週3回程度がよいので、平日に2回行い、休日には家やジムで筋トレをするというのが理想的です。もし職場の健康経営の一環で肩や首の痛み対策をするならば、安価かつ科学的な筋トレをしてほしいと思います(金があるならアジャスタブルケーブルマシン)。

参考文献

Physical Therapy 2017

Workplace-Based Interventions for Neck Pain in Office Workers: Systematic Review and Meta-Analysis 」