筋力が弱った高齢者はアスリート並みのたんぱく質が有用かも!?
要約
筋力が弱った高齢者体重1kgあたり1.5gのたんぱく質を摂取すると、筋肉量や筋力の向上が見られた。
高齢者が悩んでいる健康問題の一つに筋力の低下があります。その解決策は筋トレと十分なたんぱく質の摂取です。しかしながら、「十分」とはいったいどの程度の量なのでしょうか?この疑問に答えてくれるのが権威ある栄養学専門誌The American Journal of Clinical Nutritionに2018年に発表された論文です(1)。
この研究では、70~85歳のfrail(筋力が衰えた状態)またはその予備軍の人を
・体重1kgあたり0.8gのたんぱく質を摂取する群
・体重1kgあたり1.2gのたんぱく質を摂取する群
・体重1kgあたり1.5gのたんぱく質を摂取する群
に分けて12週間試験を行いました。
その結果、体重1kgあたり0.8gのたんぱく質を摂取する群と比較して、
・体重1kgあたり1.2gのたんぱく質を摂取する群では特に差は見られなかった。
・体重1kgあたり1.5gのたんぱく質を摂取する群では筋肉量の増加と歩く速度の改善が見られた。
という結果になりました。体重1kgあたり1.2gのたんぱく質というのもむしろ多い方なのですがそれでは効果は見られず、体重1kgあたり1.5gのたんぱく質摂取をすれば十分な効果が得られたということになります。これはアスリートにとって望ましい量であるという意見もあるほどの大量のたんぱく質です。
前の記事にも書きましたが、高齢者はたんぱく質に対する筋肉増加作用が弱まっており、効果を出すには多めのたんぱく質が必要という報告がなされています。
そして、今回紹介した論文での研究科から、十分な量の目安は体重1kgあたり1.5gであることが示されたのです。
腎臓の機能が下がっている場合や一部特殊な薬を使っている場合など高たんぱく質食がふさわしくない場合もあるので、実行する場合は必ず医療従事者と相談の上行うべきですが、たんぱく質の積極的な摂取は筋力の衰えた高齢者にとって有益と言えるでしょう。ただし、高齢者にとってはここまで多くのたんぱく質を食事から摂取するのは難しいことも多いので、プロテインを利用するのが現実的でしょう。
会社の顧問や実家の母(そこまで年ではないが、筋力低下がひどく、何とかするためにちょくちょく実家に帰っている)へのプレゼントはプロテインにしようと思います(前に買って結構うまかったコレにでもしようかな。
バルクスポーツ ビッグホエイ プレミアムフレーバー グルメ 1kg ダブルチョコレートチップ
- 出版社/メーカー: 株式会社ボディプラスインターナショナル
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
参考文献
(1)2018h The American Journal of Clinical Nutrition「Protein supplementation improves muscle mass and physical performance in undernourished prefrail and frail elderly subjects: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial」