筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

筋トレをやっている男性は高コレステロール血症になる可能性が低い

要約

・筋トレを継続している人はコレステロール血症になる可能性が低い

コレステロール血症の予防目的ならば筋トレは少量が適量である可能性がある

 運動は生活習慣病の予防や改善にとても重要であることは科学的にも証明されています。今回、筋トレの習慣と脂質異常症の発症リスクの関係を示した研究が発表されたので紹介します。

 18歳から83歳(平均46歳)の男性7317人を平均4年間追跡した今回データより、筋トレを行っている人は高コレステロール血症(今回は総コレステロール 240 mg/dL以上または医師の診断と定義)になるリスクが低いことが示されました。ただし、やればやるほど良いというものではないようです。今回の結果をグラフとしたのが下の図です。

f:id:kuromuscle:20180216000509j:plain

2018 Mayo Clin Proc. 2018 「Association of Resistance Exercise With the Incidence of Hypercholesterolemia in Men.」より筆者作成。

筋トレをしている人たちはすべての群で筋トレをしていない人よりも高コレステロール血症の発症率が有意に低いことが示されましたが、

・週3回以上  ー13%

・週1時間未満 ー32%

・週2回    -31%

と量が比較的少ない時にリスクがより低いといデータになっていました。このデータは年齢や運動、生活習慣など様々な要因で調節がなされており、信頼性が高いデータであると考えられます。

 よって、高コレステロール血症の予防が目的であれば週1時間未満または週2回のトレーニングを行うのがよい可能性が高いと考えられます。ただ、週1時間となるとバランスよく鍛えるのは相当難しくなってしまいます。

よって週2回のトレーニングを行い、1回のトレーニングで全身を鍛えるというのならば、筋力向上やボディメイクと両立できて良いのではないかと思われます。

参考文献

2018 Mayo Clin Proc. 2018 「Association of Resistance Exercise With the Incidence of Hypercholesterolemia in Men.」