筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

筋トレで脂肪肝が改善する!(おまけにかっこいい体になる)

要約

脂肪肝の人が筋トレを行うと、肝臓の脂肪が減った。

・全体の脂肪と腹部の脂肪が減り、除脂肪体重は増えた。

筋トレがアルコール性脂肪肝に与える影響を調べていたのですが、どうもそのような論文を見つけることができず。しかしながら、非アルコール性脂肪肝には役立ちそうであることがわかりましたので、せっかくなので紹介しようと思います。

 この研究(1)では非アルコール性脂肪肝(ただし、脂肪肝感染症などが原因ではない)の人を対象として、

・週3回、1回40分で終わる筋トレを行うグループ

・ストレッチを行うグループ

の2群にランダムに振り分け、筋トレが与える影響を調査しています。

その結果、筋トレをしたグループはストレッチをしたグループと比較して、

・肝臓の脂肪が低下した

・全体の脂肪と腹部の脂肪が低下し、除脂肪体重が増加した

・血中のコレステロールとフェリチンの値が改善した。

ことが示されました。

一般的には脂肪を燃やすために効果的な運動は有酸素運動であると考えられていますが、筋トレも肝臓の脂肪を燃やすために有効であることがわかったのです。しかも、脂肪がへって除脂肪体重が増えたということは、体脂肪率が減ってかっこよい体になったと言い換えることもできるでしょう(少なくともボディビルを行っている者の美的感覚では)。

 コレステロールの値が改善したということは心血管病のリスクが減らせるうえに余計な薬を飲まなくてもよいということになります。フェリチンは肝臓の炎症や線維化の程度を表しているのですが(2)、その値が改善したということは筋トレで肝臓の状態が良くなったということになります。

 なお、肝臓の脂肪量を大きく減らすことができたのは、腹部脂肪がより大きく減った人であることも示されています。よって、腹囲の数値を気にしつつ筋トレを行っていけば、肝臓によりよい影響が期待できると考えられます。

 肝臓の数値をよくする薬はありますが、それらの薬はボディメイクには役に立ちません。やはり筋トレは最強の薬なのです。

参考文献

(1)2014 World J Gastroenterol「Effect of resistance training on non-alcoholic fatty-liver disease a randomized-clinical trial.」

(2)2012 Hepatology.「Serum ferritin is an independent predictor of histologic severity and advanced fibrosis in patients with nonalcoholic fatty liver disease.」