筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

膝の痛みには筋トレが効果的!ではどんな感じにやればいいのだろうか?

(ようやくブログの題名らしい内容で書けた。最近プロテインやサプリのことばかり書いていた気がする)

要約

・筋トレで膝の痛みは改善する

・高強度の運動の方が効果的である。

・週3回程度行えばよい

関節の痛みに筋トレがよいことは紛れもない事実です。筋トレを教えた人が

「肩こりが改善してマッサージが要らなくなった」

「月9000円もかかっていた病院・薬局代が筋トレで0になった!」

など喜んでもらったこともあります。

さて、私が筋トレを紹介していて喜ばれるのは肩こりや腰痛ですが、もちろんのこと膝の痛みにも効果的です。湿布が不要になるくらいのことはなんども達成しています。

 2015年に膝の痛みと筋トレに関して a systematic review and meta-analysis(とても質が高い論文と思ってください。)が発表されたので紹介しましょう。
・筋トレで膝の痛みは改善する。

まず、結論から言ってしまうと、筋トレによって膝の状態が改善することがわかっています。この論文の解析で変形性膝関節症の人が筋トレを行うと、

・膝の痛みが改善した

・膝のこわばりが改善した

・身体機能が改善した

という利点が示されました。

 ちなみに、膝の痛みのための筋トレとなるとレッグエクステンションやレッグプレスのような大腿四頭筋の筋力をメインとした筋トレが良いように思いますが、変形性膝関節症の人はお尻のやハムストリングスいった下半身の後ろ側の筋肉が弱っているので、下半身をバランスよく鍛えた方がよいようです。その方が身体機能の改善につながることが期待できます。

・高強度の運動の方が効果的である。

 膝の痛みに対する運動というと、軽めにやるべきだと思われますが、低強度(最大筋力の60%程度)と高強度(最大筋力の80%程度)を比較すると

・膝の痛みの改善

・身体機能の改善

の2点で、高強度での筋トレの方が大きな改善を示していました。リハビリだからと消極的なトレーニングをするよりも、積極的に強度の高い運動をすべきだということなのです。ただし、初めて行う人にとっては高強度の筋トレはリスクも大きいので、軽めの重量で筋トレに慣れてから、重量を増やすとよいでしょう。

・週3回程度行えばよい

 下半身の筋肉をバランスよく鍛え、慣れてくれば強度を高めればよいということがわかりました。あとは週に何回すればよいか?

この論文での解析ではトレーニングセッションの回数は週2~毎日とかなり幅がありましたが、大多数は週3回の筋トレを行っていました。よって、膝を目的とするなら週3回程度行うのが無難でしょう。キツイ場合は週2回にしたり、ちょっと軽めにするなど臨機応変にするとよいでしょう。1種目につき3セット行っているという記述を見つけましたので、筋力に自信のない人は導入として例えばこのような感じでメニューを組むと良いのではないでしょうか?

マシンで行う場合

種目1 レッグプレス(大腿四頭筋など) 3セット

種目2 レッグカール(ハムストリングス)3セット

種目3 バックキック(お尻)      3セット

家で行う場合

種目1 チューブを用いたレッグプレス(大腿四頭筋など)3セット

種目2 (自重での)スタンディングレッグカール(ハムストリングス)3セット

種目3 バックキック(お尻)3セット 

この運動で痛みが軽くなれば、さらに強度の高い運動にチャレンジしていただければと思います。主治医から運動の許可が下りれば、無理のない範囲で試していただけると幸いです。

参考文献

2015 CLINICAL REHABILITATION
「The effects of resistance exercise in patients with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis」