加圧トレーニングによる血圧の急上昇に注意!?
要約
・加圧トレーニングを行っている最中は通常の筋トレを行っている最中よりも血圧が高くなってしまう。
・トレーニング後に関しては、加圧トレーニングの方が通常の筋トレ後よりも血圧が低くなる
一世を風靡した加圧トレーニングですが、最近はだいぶ落ち着いたように思います。実は私も学生時代にバイトと親からの仕送りで、親には到底言えない額の加圧トレーニングの器具を買い、かなりやりこんだものです。
きっかけは大学でみた加圧トレーニングの本をみて
「これならムキムキになってベンチプレス200kgも夢じゃないんじゃねえ!?」
と思ったからなのですが、そんなことはありませんでした。
筋肉についてはさておき、加圧トレーニングは軽い重量を扱うので安全性が高いとされていますが、ギリギリまで追い込むのでかなりしんどいトレーニングです。血管がうねうねしている状態をみて、
「これ、一過性に血圧上がるだろうな・・・」
と思っていたら、やはりそのような論文があったので紹介しようと思います。
2018年のLife Sciences誌に普通の筋トレと加圧トレーニングとの血圧応答を比較したsystematic review and meta-analysis(詳しくはgoogleさんに聞いてみよう)があったので紹介しようと思います。
加圧トレーニングを行った場合は、最大負荷の60%以上の筋トレをやる場合と比較して
・通常血圧の人は拡張期血圧の血圧上昇が大きかった
・高血圧の人は収縮期血圧、拡張期血圧ともに血圧上昇が大きかった
という結果となりました。加圧トレーニングは重量は軽いものの、ギリギリまで追い込むという特徴のためか、トレーニング中の一過性の血圧上昇が大きいということになりました。さらに悪いことに、高血圧の人の方がこの反応がキツイということなので、より注意が必要ということになります。
トレーニング後の血圧に関しては、加圧トレーニングを行った後の方が低くなったので、血圧が安定している人ならばむしろ体によいかもしれません。
筋トレ自体は血圧によい
ことは科学的にも示されているのですが、やりかたに問題があると逆効果になることもあります。高血圧がある人は軽めの重量による通常の筋トレを採用し、息は止めず、追い込まないようにするのが良いと思われます。
参考文献
2018 Life Sciences「Blood pressure response between resistance exercise with and without blood flow restriction: A systematic review and meta-analysis」