レッグプレスだけでは筋力バランスが崩れる恐れ(高齢者の実験より)
要約
レッグプレスだけではハムストリングスが強化されず、筋力バランスが崩れる恐れがある。
脚のトレーニングの代表として有名なものに、レッグプレスがあります。座って行うことができるので腰に負担がかからないという利点があり、脚を太くしたいボディビルダーにとってはとても有効なマシンです。
しかし、パワーリフティングやウェイトリフティングをしていた経験からは、レッグプレスが強くなったら確かに脚は太くなるものの、ほとんどスクワットが強くならないという事態に陥ってしまいました。
この経験はどうやら正しく、しかも高齢者にもあてはまる恐れがあるという論文を発見したので紹介しようと思います。
Journal of Bodywork and Movement Therapiesで紹介された論文では、高齢者に対してレッグプレスを週2回の頻度で12週間行ってもらい、その前後で膝の筋力の測定を行いました。
その結果、レッグプレスのトレーニングにより
・レッグプレスの筋力が強化された
・膝伸展力(大腿四頭筋)が強化された
一方で、
・膝屈曲力(ハムストリングス)は特に変化が見られなかった
という結果にいたりました。その結果、大腿四頭筋とハムストリングスとの筋力比が崩れたという結果に至りました。
大腿四頭筋は非常に重要な筋肉ですが、それと同じくらいにハムストリングスも重要な筋肉です。よって、高齢者の筋トレにレッグプレスを取り入れる場合は、同じ程度の量のレッグカールを行うなどして筋力バランスを整えることも考慮したほうがよいでしょう。
参考文献
Journal of Bodywork and Movement Therapies
「Leg press exercise can reduce functional hamstring:quadriceps ratio in the elderly」