筋トレこそが最強の薬である。

京大バーベル部卒の薬剤師が筋トレや食事法中心に、健康に役立つ情報を紹介します。

力を出すためには朝飯を食べた方がよいという当たり前の報告

要約

・朝食を抜いた状態で筋トレをすると、力がでない。

 最近、朝ご飯を食べない習慣の人に朝ご飯を食べさせてもあまりダイエットの役に立たないという論文が話題になっています(1)。トータルのカロリーこそが体重に最も影響を与えるという大前提を考えると、まあそんなものだろうと思います。そこで私は筋トレ愛好家らしく、朝ご飯が筋トレに与える論文を紹介しようと思います(2)。

 この研究では、週3回以上は朝食を食べる習慣のある、筋トレを行っている若い男性を対象に、

・朝ご飯を食べず、水のみ

・体重当たり1.5gの炭水化物を含む朝食

の2群にランダムに振り分けを行い、水または朝食の2時間後にスクワットとベンチプレスを行っています。その2群の差ですが、予想通りのものであり、

・朝に水のみの場合は挙げられる回数が少なかった。とくに、スクワットでの差が著しかった。

・朝に水のみの場合は、お腹がすき、食べ物への欲求が高まり、次の食事の量が大きく増えた。

ことが示されました。当然と言えば当然の結果なのですが、朝食抜きは身体活動、特にスクワットのように消費エネルギーが多い運動の場合に大きな障害になりそうです。相撲は伝統的に朝ご飯を抜いた状態で稽古をし、その後沢山食べるという生活をするようですが、朝食抜きでは稽古も力がでない恐れがあり、科学的には勧められないと言えるでしょう。

というわけで、この論文の教訓は

「朝食を抜くと元気に活動できないぞ!」

という当たり前なことは、科学的にも示されたということです。子供たちが活動的に動けるためにも朝食は重要ですし、とりわけ肉体労働の仕事の人は朝食を抜かずに仕事にいくべきと言えるでしょう。

参考文献

(1)2019 BMJ「Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials」

(2)2019 J Strength Cond Res.「Breakfast Omission Reduces Subsequent Resistance Exercise Performance.」