運動は高齢者の血圧を下げる。
要約
・運動をすると、65歳以上高齢者の血圧が下がる。
・運動の種類で血圧の変わり方が異なる。
運動で血圧が改善することは科学的な事実であることを紹介してきました。
pharmuscle.hatenablog.com
では、高齢者に関してはどうなのでしょうか?
勿論下がります!
2018年に紹介された論文(1)では65歳以上の高齢者を対象とした運動の効果のメタ解析を行っております。その結果、
有酸素運動 収縮期血圧-4.7mmHg、拡張期血圧ー2.0mmHg
筋トレ 収縮期血圧ー7.0mmHg(拡張期血圧は有意差なし)
有酸素運動と筋トレを並行 収縮期血圧-5.5mmHg、拡張期血圧ー3.7mmHg
という変化が見られました。このように有酸素運動でも筋トレでも血圧が改善することが示されています。高齢者の特徴として、拡張期血圧はむしろ低すぎるという特徴もあるので、筋トレを選んでも特に問題はないと考えられます。
この論文での解析では、対象者の血圧は収縮期血圧が121~182、拡張期血圧は61~90の範囲の人での解析となっています。運動は血圧が高めの人ほど良く下がることが示されている(2)ので、収縮期血圧が140以上と高めの人なら更なる血圧の改善が見込める可能性があります。
高齢者こそ運動をした方が良いというのは、運動が薬と同じくらい血圧が下がるということも理由なのです。
参考文献
(1)2018 Int J Hypertens「Brief Report: Exercise and Blood Pressure in Older Adults—An Updated Look」
(2)2013 J Am Heart Assoc「Exercise training for blood pressure: a systematic review and meta-analysis.」